路面ウェット、一時的に雨は止んでいたけどこのあと高確率の雨予報、普通こんな時に走る変人はいない。
そんな変人がたった一人ここにいる。
日の出前の真っ暗な中、雨が止んでいるのを確認してから出発します。
家の前の路面は、濡れてるところと濡れてないところが半々くらい。
とりあえず行けるところまで行ってみるかといった感じで出発します。
日の出前の真っ暗な河川敷に出ると、空気は生温くジメジメしていて、走行中でも少し不快感をおぼえるほどでした。
ヘッドライトごしに目の前を白い煙がさーっと流れていきます。
ところどころうっすらと霧が立ち込めていて視界が霞んでいました。
こんな民家のない真っ暗な河川敷の道でも、ウォーキングしている人はいます。
視線の先に動いている人影がないか集中しながらゆっくり走行します。
危険なのでスピードは出せません。
毎日走っている道です。
毎日お会いしている人たちです。
お互いこれからも末長く気分良く過ごせるよう、事故を起こさないのは当然のこと、怖い思いもさせないよう心がけなければなりません。
今朝は今にも雨が降り出しそうな天候だったので、ウォーキングしている人も少なめでした。
いつもの半分くらい。
しばらく走っていると冷たいものが顔にかかり始めました。
とうとう降り始めたか。
オークリーのクリアレンズを覆う水滴が視界をにじませます。
ようやく明るくなってきました。
緊張が緩みます。
全身がしっとりと濡れて、これ以上雨が強くならないといいなと思いながら、湿った世界を走行します。
僕の願いとは裏腹に雨は次第に強さを増し、とうとう土砂降りになってしまいました。
ウェアーもシューズも自転車もずぶ濡れです。
視界も滲みっぱなしです。
こうなると諦めが肝心です。
バチバチと大きな音をたてて草原に襲いかかる雨音を耳にしながら、雨中走行を楽しむことにします。
視界が悪いのでスピードは抑えます。
路面が滑りやすいのでコーナリングは十分スピードを落として慎重に行います。
ブレーキングは「早めにゆっくり」を意識して行います。
汚れたウェアは洗濯すればいい。
汚れたロードバイクは綺麗に磨きあげればいい。
濡れた体はシャワーを浴びればいい。
何の問題もありません。
雨の日走行で唯一イヤなのが、
これです。
雨に濡れた穂が大きく垂れ下がり、行く手を阻みます。
こうなると避けることができません。
仕方なく突っ込んでいくと、
こうなります。
親離れしたくてウズウズしている小さなタネたちがここぞとばかりにありとあらゆるところに盛大に引っ付いてきます。
「俺たちをどっか離れたところへ運んでくれ!」
よし分かった、望み通りに遠くへ連れてってやるぜ。
しかし、しばらく走ると、
「おい!そろそろおろせ!遠すぎるだろ!」
といわんばかりに痒みが広がってきます。
痒みに耐えられず立ち止まってタネを振り払います。
腕だけでなくウェアーにもびっしりこびりついたタネを時間をかけて綺麗に落としてから帰路につきます。
いつもの日曜日ならこんな早朝でも数台のロードバイクとすれ違うのですが、今朝は皆無でした。
ま、当たり前ですよね。
こんな天候の日に走る変人なんか他には滅多にいないでしょうから。
ちなみに、走行中に雨に降られて濡れて帰ってきたのは、この夏だけで3〜4回目です。
もう慣れたものです。
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