1年のうちで最も昼の時間が短い冬至の日、土星と木星が397年ぶりに超大接近するという。
今回はこの世紀の天体ショーをカメラにおさめたいと考えていた。
実際の最接近は22日の午前3時だというが、日の入りから2時間くらいで地平線に沈んでしまうため、その時間に日本で見ることはできない。
日本で最も接近した姿が見られるのは本日21日の日没後。
のんびりしているととっとと沈んでしまう。
ぶっちゃけ木星と土星が近づくことは過去にもあったので当初は正直そこまで関心はなかった。
しかし、「397年ぶりの超大接近」という言葉を耳にすると、ついつい「今見ておかないと!」という気持ちになってしまう。
「限定品」と聞くと途端にガラッと印象が変わるみたいな。
「今回のこの超お買い得価格は今から30分以内限定ですので、お電話お急ぎくださ・・・」
おっと、世紀の天体ショーだ!
こんなアホなことを言ってる場合ではない。
今回使用するカメラは普段使っているコンデジではなく、iphoneでもなく、デジタル一眼だ。
なんたって397年ぶりだ。
最高の写真を撮りたいじゃないか!
カメラと三脚を背負って荒川河川敷にある広場までナイトライド。
日が沈むとさすがに冷える。
寒い。
フフッ、冬の極寒早朝ライドで鍛えている自分には全然大したことないぜ!
と言いたいところだが、寒いものは寒い。
17:50頃、河川敷の広場に到着。
この時一人の女性が空を見上げていた。
ちょっと離れたところに車が2台とまっていた。
今回の大接近はずいぶん騒がれているのでもっとたくさんの人がいるかと思ったがちょっと意外だった。
だだっ広い空を見上げて木星と土星が接近している姿を探す。
あれっ?どこにあるんだ??
最初どの星なのかわからなかった。
いつもなら一瞬でわかるほど強い光を放っている木星だが、既に西に傾きかけていたので分厚い大気の影響か明るさが落ちていた。
さらに辺りが真っ暗なので他の一等星が強烈な明るさを放っていた。
また視力の落ちた僕の目では木星と土星が一つになって見えていた。
周りに全く明かりのない真っ暗闇の中、懐中電灯の明かりだけを頼りにカメラをセットする。
カメラの設定はある程度家で済ませていたので準備はすぐに終わった。
ちなみにこれまでデジタル一眼で星を撮影したことはない。
そこで事前に撮影方法を調べておいた。
普段はめんどくさくてここまですることはない。
今回の意気込みはそれほど気合十分だった。
なんたって397年ぶ・・・
しつこいな。
早速試し撮り開始。
撮影された画像を見て少しずつ設定を変えてみるつもりだったが・・・
撮影を開始して間もなく、離れたところに止まっていた2台の車が相次いでいなくなった。
急に心細くなる。
さっきの女性を探す。
えっ?
あれっ??
うそっ???
いない!!
ええーーーっ!!!!!
もしかしてさっきの女性はこの世のお方ではなかったとか???
ふとそんな思いが脳裏をよぎり途端に恐怖に襲われた。
辺りに明かりはなく真っ暗。
静寂の中、近くを流れる荒川の水の音だけが恐ろしげに響き渡っている。
人は誰もいない。
うわっー!もう無理ー!!
恥ずかしながら恐怖が増幅され居ても立ってもいられなくなり、伸ばした三脚に取り付けたままのカメラを抱えて一目散に帰路についた。
撮影できた写真はわずか12枚。
ちなみに過去にこの近くの空き地にとめた車中でうっかり寝てしまい夜中に目が覚めたことがある。
なんとこの時、知らない男性が運転席側の窓に顔をくっつけてじっとこちらを見つめていたことがある。
想像してみてほしい。
恐ろしすぎるだろ!
すぐに飛び起きエンジンをかけて急発進。
その男性は真っ暗な中立ち尽くし、
最後までじっと僕の方を見つめていた。
また別の日にはこんなこともあった。
近くで夜空を見上げていた時、突然音もなく不思議な光がたくさん飛んできて夜空の一角に集まって停止。
その後クイックターンを交えながら恐ろしく速いスピードで空の彼方へ飛んでいくのを目撃した。
あれは一体なんだったのだろうか?
なんかそんな過去の出来事を思い出してしまって余計に怖くなってしまった。
おっと話が脱線した。
とりあえず今回撮影した写真はこんな感じ↓
250ミリの望遠レンズで最初に撮影したピンボケ写真。
星同士がいかに近づいていたかが分かっていただけると思う。
上が土星、下が木星
木星の周りには衛星も写っていた。
シャッタースピード5秒でもこのように星が流れてしまった。
この後設定を少しずつ変えるつもりだったのにまさかこんなことになるなんて…
結局失敗写真のオンパレード。
こんな写真や、
こんな自主規制ギリギリ写真とか、
(どうやら木星も土星も♂のようだ。)
最後に撮影した写真は、
なんとも不思議な写真だし。
というわけでご覧の通りはじめての星空撮影は、失敗に終わった。
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