『サイクリング・ブルース』忌野清志郎はいつまでも最高だぜ!
雑誌サイクルスポーツでも紹介されていた忌野清志郎さんの書籍『サイクリング・ブルース』を読んでみました。
今はこの本をきっかけに今年デビュー50周年を迎えた忌野清志郎さんの世界にどっぷり浸っています。
書籍『サイクリング・ブルース』について
自転車はブルースだ。底抜けに明るく目的地まで運んでくれるぜ。
清志郎さんのこの言葉から本書は始まります。
長い距離をゆっくり走るLong Slow Distance(以下LSD)で、キューバ、ハワイ、沖縄、東京→九州、四国、東京→箱根、東京→東北を走っている清志郎さんの写真とエッセーが続きます。
どれも写真が綺麗です!
清志郎さんの表情がイキイキしてます!
写真から自転車の楽しさが伝わってきます!
キューバの自転車旅では異国情緒漂う美しい街並み、石畳、地元の方々との交流の様子
ハワイでは有名なホノルルセンチュリーライドに参加された時の様子
そこには歌っているときの清志郎さんとはまた違った清志郎さんの姿があり、リラックスして和やかな雰囲気に包まれています。
しかし自転車は楽しいばかりではなく、運転操作を誤れば大怪我や命の危険だってある乗り物です。
この本の中でも沖縄の下り坂でスピードを出しすぎて縁石に激突し、左肩の鎖骨を骨折した清志郎さんの痛々しい姿が掲載されています。
こんな大怪我をしても
これでやっと、一人前の自転車乗りになれたと、ちょっぴり嬉しくもあった。
なんてことをさらっと言う清志郎さんがカッコいい。
こんな大怪我にも懲りることなく後日リベンジしています。
やると決めたら徹底的です!
さすがです。
この本の中には自転車を愛する清志郎さんの数々の名言がありますが、特に感銘を受けた言葉をいくつか。
勝ち負けにこだわって、頑張り過ぎると息切れする。
どんな険しい坂道も長い道のりも、いつかは着くだろうと、ゆるい気持ちで走ることが大切だ。
これは、人生にもいえること。
自転車に乗ると、風とか雨とか自然との距離が近くなって、自然への畏敬の念を強く感じる。
骨折とか挫折とか、人生のなかでもなかなかできない経験ばかりで、いいのか悪いのかわからないけれど、少なくとも自分はこれからも乗ることをやめない。
なぜなら、自転車に乗ることは、仕事の上でも、生活の上でも、自分が生きていくために、なによりも、イイ感じだから……。
清志郎さんのLSD(Long Slow Distance)
清志郎さんの自転車でのLSD
2001年 50歳の時に東京から鹿児島までの1,422km、9泊10日を仲間5人と走破 2002年 東北(1,048km、9泊10日) 2003年 ハワイ(160km) 2004年 沖縄(325km、4泊5日)、四国(239km、3泊4日)、ハワイ 2005年 ハワイ 2006年 キューバ(452km、5泊6日 ) |
すごいです。
なかなか凡人には真似できません。
自転車でもやることが半端ないです。
鹿児島までの自転車旅のエピソード
2001年9月の東京から鹿児島までの自転車旅は5名で出発しました。
この5名という人数について興味深かったのが、鹿児島への出発前に清志郎さんが出演した「たけしの誰でもピカソ」(2001年4月4日放送)という番組の中でのこんなやりとりです。
渡辺満里奈「ちょっと歌以外のことやってみようかなとか思われたりしませんか?」
清志郎さん「ああ〜思いますよね。今度自転車で鹿児島まで行きたいんですよ。」
一同驚きと笑
清志郎さん「今メンバー3人集まってるんですけど・・・中略・・・最初歩こうと思ったんですけど、歩くと大変そうなんで・・・中略・・・同じくらいの性能の自転車をですね、3人で買うことになってるんです。」
ビートたけし「3人でそんなことたぶんね、静岡あたりで大喧嘩して終わりですよ」
清志郎さん苦笑い
ビートたけし「俺は帰るとかなんか言ってね、なかなかね、ある程度の人いないとダメですよ。2人も喧嘩するし、5人は必要だね。5人!」
清志郎さん「3人はだめですかね」
ビートたけし「5人だと3対2でどうにか耐えられるけどね、3人だと2対1になってね、1人は孤立。絶対ダメ、喧嘩になる。」
今田耕司「清志郎さんやったら大丈夫なような感じが・・・」
ビートたけし「清志郎さんだったら清志郎さんだけ孤立してるとか、あとの人はついてくるだけかも分かんないな。」
この会話がもとで5人になったのかは定かではありませんが、東京から鹿児島への自転車旅は5人で走り、5人全員が完走しています。
鹿児島までの自転車旅完走後に出演した徹子の部屋ではこの旅の貴重な話を聞くことができます。
番組の冒頭、清志郎さんは赤い2代目トレック号に乗って登場します。
ちなみに鹿児島への自転車旅はピンクの初代ケルビム号で走っています。
黒柳徹子「全員が完走できたんですか?」
清志郎さん「そうです、全員が。」
黒柳徹子「そのときどんなお気持ちでしたかしらね」
清志郎さん「いやあー、もう嬉しかったですね、はい、ジンときました。」
そうでしょうねぇ。
10日間一緒に頑張ったわけですから。
そんないかした仲間のいる清志郎さんが本当に羨ましいです。
清志郎さんの幼馴染みで当時雑誌サイクルスポーツの編集長をしていた宮内忍さんのエピソードも大変興味深いです。
10日で走るっていうことは1日150km走んなきゃなんない。
悪いこと言わないからそれは辛いよと、あの、心意気は分かる、けども100kmにした方がいいんじゃない?っていう話を、だいたいね、自転車やってた人間はだいたいそういうこと言ったらしいんですよ、周りの。
でも彼はそん時にね、意味がないって言ったんです。
つまりできると分かることをやっても何の意味がないだろうって言ったわけなんですよ彼は。
できるかできないかそれをやってみることに意味があるから、だから10日で行くんだって・・・
この言葉は宮内さんのその後の考え方にまで影響を与えたとおっしゃっていました。
清志郎さんが偉大なロック歌手になった理由が分かりますね。
好奇心が強く、目標は高く、常に挑戦の連続だったのでしょうね。
挑戦の内容がぶっ飛んでるところなんていかにも清志郎さんらしいです。
鹿児島まで走った時の清志郎さんの年齢は50歳です!
普通50歳でそんなこと考えられますか?
自転車旅を終えてから出演した徹子の部屋を見る限り、とても50歳には見えません。
もちろん年齢より若く見えます。
忌野清志郎さんの自転車の曲
忌野清志郎さんは自転車をテーマにした曲をいくつか歌っています。
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サイクリング・ブルースは書籍だけでなく、曲もあるんです。
ゆったりした曲調のブルースです。
自転車ショー歌は「茄子 アンダルシアの夏」のエンディングで流れていた曲なので、ロードバイク乗りの方ならご存知の方も多いかもしれません。
どれもいい曲ばかり。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
余談ではありますが、最近ロードバイクに乗ってる時に心の中に流れている曲は忌野清志郎さんのJUMPという曲です。
ノリノリの曲に合わせてJUMP!と大声で叫ぶと気持ちがスカッとします。
この曲を空で聴きながらペダルを回していると、いろんな熱い思いが込み上げてきます。
この曲を好きすぎて・・・
JUMPのTシャツ買っちゃいました!
めちゃめちゃカッコいいです!
もったいなくて着れず、部屋に飾っています。
最高です!
今年(2020年)は忌野清志郎さんのデビュー50周年の年です。
2020年という文字も入っているしちょっとした記念にもなります。
このTシャツをはじめ、50周年記念グッズが公式サイトで売られています。
興味のある方はこちらからどうぞ
50周年を記念してyoutube official channelも開設されていますよ。
最後に
ロードバイクに乗る清志郎さんは、歌っている時とはまるで印象が違います。
清志郎さんの自転車に乗っている姿を見ると親近感を感じるものの、どんな中でも強烈なオーラを放っている清志郎さんはやはり特別な存在です。
自らデザインしたド派手なウエアも華麗に着こなし、いかにも清志郎さんらしい。
自転車だったらこんなこともできるんだぜ! 自転車だったらこんなところにだっていけるんだぜ! 自転車だったらこんな楽しみ方もあるんだぜ! |
それらを伝説のカリスマロックスター自ら体験して示してくれています。
どんなことでもやることがズバ抜けてます。
この本がきっかけで清志郎さんのことを改めていろいろ調べてみると・・・
忌野清志郎さんは今でも生きている。
今もどっかでパワフルに歌い続けている。
そんな気がしてなりません。
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